「感動が薄れた」と言われた納棺師の告白|本当に後悔しない家族葬の選び方とは?

二度目の納棺で感動が薄れたと言われた日
命を演出と呼ばれた瞬間、私はその現場を見限った
葬儀社の役員が放った一言が、すべてを壊した
再依頼をくれたご家族への想いと、私の覚悟
その日私は、以前納棺を任せてくださったご家族のもとへ向かっていた。
再び声をかけてもらえるというのは、納棺師にとって何よりの信頼の証だ。
その思いに応えたくて、私は初回と同じように、いや、それ以上に、真剣に向き合った。
故人の肌に手を添え、ご家族の震える声を聞きながら、私は静かに時間を整えた。
この人の最期を、美しく、そして尊厳をもって送りたい。ただそれだけだった。
納棺直後に聞いた「感動が薄れますからね」の衝撃
儀式を終えた直後、隣にいたのは葬儀社の会社役員だった。
彼は言った。
「二度目は感動が薄れますからね。だからこうなんですよ」
一瞬、時間が止まった。
私は、何を言われたのか理解できなかった。
「評価された」と感じた瞬間、心が冷えた
この言葉は、私の技術に対する指摘でも、反省点でもなかった。
もっと根本的なもの
命を、演出と数字で語る視線だった。
私は、その場で静かに心を閉ざした。
この会社とは、もう一緒に仕事はできない。そう決めた。
私が向き合ってきたのは、命そのもの
納棺は、演出ではない。毎回がたった一度の時間
私は納棺師だ。
一人の命に、真正面から向き合うのが私の仕事だ。
儀式でも、儀礼でもない。
これは祈りだ。
生きていた証に、最後の静かな時間を贈ること。
二度目も、初めてと同じように、その人だけの時間がある。
前と比べるものではない。
感動をつくろうとしてきたわけではない
私は感動を提供してきたわけではない。
感動とは、人の手でつくるものではなく、自然と心に残るものだ。
納棺の場で起きる涙も沈黙も、その瞬間だけのものだ。
そこに優劣などない。
遺族の感情に寄り添う。それが私の仕事だった
ご家族の中に、きちんと気持ちが残せるか。
「ちゃんと送れた」と思ってもらえるか。
私はずっとそれだけを大切にしてきた。
演出ではない、心の納得。
それが、本物の供養だと信じている。
「感動が薄れた」は、命を比べている言葉だった
演出の成否で葬儀を測る思考の危うさ
感動があるかないかで、葬儀の良し悪しを判断する。
その視点は、命を舞台のように扱っている。
納棺は、演技ではない。
感情を引き出す技術でもない。
それを忘れたとき、葬儀は単なる処理になる。
故人を“過去の実績”のように扱う感覚
「前のときの方が泣いてましたね」
「今回は静かでしたね」
そういった言葉の裏にあるのは、まるで営業成績のような発想だ。
私はその視線に、心底ぞっとした。
私はこの会社と、もう仕事をしないと決めた
その日、私は心の中で決めた。
この会社と、命の現場を共にすることは、もうない。
葬儀社の規模でも、知名度でもない。
大切なのは、命にどれだけ本気で向き合っているか、それだけだ。
家族葬を考えているあなたへ伝えたいこと
選ぶべきは「段取り」ではなく「人」
今、家族葬を考えているあなたへ。
見積もり、プラン、式場のきれいさ
それも大事かもしれません。
でも、もっと大切なのは、その場にいる人が、どれだけ真剣に向き合ってくれるかです。
「心の納得」がある別れとは何か
後悔しない葬儀とは、形式が整っていた葬儀ではありません。
きちんと気持ちを伝えられた。
涙を流すことができた。
それを誰かが受け止めてくれた。
そんな時間があったかどうかが、あなたの記憶に残ります。
後悔しない葬儀の本質は、静かな時間にある
葬儀の本質は、静かな時間の中にあります。
誰にも邪魔されず、ちゃんとお別れできること。
その時間を、誰と創るか。それがすべてです。
最後に私はこれからも、命に向き合う
あの言葉を忘れずに、あの家族の信頼に応えていく
「二度目は感動が薄れますからね」
あの言葉は、私の中でずっと消えません。
でもそれは、忘れてはいけない言葉でもあります。
命を扱う仕事において、どこまでも人の側に立つ。
その原点を、私はあの家族の信頼とともに、もう一度思い出しました。
派手な演出ではなく、感情の通過儀礼を届けたい
私は、飾り立てた美しさを届けたいのではありません。
ご家族の心が通り抜けられる、静かな感情の道を開きたい。
葬儀は、別れではなく、関係の整理であり、心の区切りです。
本気で別れたいと願う人のために、この道を選び続ける
もしあなたが、本当に後悔しない別れをしたいと思っているなら、
私たちが支えになります。
私はこれからも、命と真剣に向き合う納棺師として、この道を歩み続けます。
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筆者について
樺澤忠志(とーたる・さぽーと0528代表/納棺師)
弘前市出身。父の死をきっかけに葬祭の道へ。今、感情を封じない「喜怒哀楽の家族葬®」を弘前で提供しています。最期に「ありがとう」が届く時間を。
それが、私の仕事のすべてです。-
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0172-82-2078喜怒哀楽の家族葬® 樺澤忠志の記録|全12章
これは、ひとりの納棺師が歩んできた12の記録。
「形ではなく、感情に向き合う葬儀」を信じてきた私の原点と、実践と、これからの話です。- 第1章 身内を送るつもりで納棺する
岐阜での出張、初めて一人で任された納棺。家族の涙が、自分の原点となった日。 - 第2章 ありがとうが疑いになった日
感謝として受け取った寸志が、誤解を生んだ。納棺師としての信念が試された出来事。 - 第3章 1年という期限を自分で決めていた
最初から決めていた「1年間の修業」。納棺協会を卒業し、自分の道を歩き始める。 - 第4章 ゼロから始めた 誰も頼れない道を自分で切り拓いた
遺品整理からの再出発。紹介も信頼もゼロの中、弘前で地道に始めた独立の日々。 - 第5章 感情を抑えない葬儀を 誰かが始めなければと思った
コロナ禍で失われた感情の時間。「喜怒哀楽の家族葬®」という言葉に辿り着いた理由。 - 第6章 ここでようやく、父と話せた気がします
自宅での一日葬。式ではなく、対話の時間が、遺族の心を変えていった。 - 第7章 魂の成長としての葬儀
葬儀は終わりではない。「感情に正直になること」が人の魂を深めていく。 - 第8章 その日、母が若返ったと言われた納棺の記憶
「母が若返った」――遺族の言葉が、納棺師としてのすべての原点になった。 - 第9章 なぜ、今この葬儀が必要なのか
形式ではなく感情を整える葬儀へ。時代が変わり、必要とされている理由。 - 第10章 ご家族の声が教えてくれたこと
「こんなに心が動いたお葬式は初めて」──遺族の言葉が、すべての証明だった。 - 第11章 これからの供養と、心の居場所について
葬儀は、生きていく人の“心の居場所”をつくる時間。送り方が、生き方を変える。 - 終章 最後の時間に 人は 魂の美しさを取り戻す
人は亡くなるとき、もっとも美しい魂を取り戻す。その瞬間に寄り添う納棺師の祈り。
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