弘前市の母の終活の話、家族葬(齋藤家)
この物語は、とーたる・さぽーと0528が実際に担当した葬儀を元にしたノンフィクションです。
実例のエピソードを基に、心温まる家族葬、喜怒哀楽の家族葬の一例として描いております。
第1章: 終活の頼み
ある日、齋藤様からとーたる・さぽーと0528に相談が入った。
相談を持ちかけてきたのは、齋藤家の長男の嫁であった。彼女は電話口で困惑した声をしていた。
「義母が私に全てを任せたいと言っているんですが、どうすれば良いかわからないんです。母の終活のこと、そして遺骨の行方についても頼られていて…」
彼女は、義母が年老いてから終活の話を持ちかけてきたこと、そしてその内容が非常に曖昧で、家族内でトラブルを生じかねないと感じていることを吐露した。
義母は、若い頃に離婚し、一人で三人の子供を育ててきた。
彼女は今、85歳であるが、実家のお墓に入りたいと考えており、長男の嫁にその最後を任せたいという。
「でも、費用は全てあなたにお願いするね」
その上、残ったお金は全て次男に残したいという意思があるようで、その言葉を受けた嫁は戸惑いと不安を抱いていた。
第2章: 義母の意向と曖昧な終活
嫁は義母の言葉に感じることがあった。
「漠然とした終活で、人任せにしようとしている」
義母は最期のことを考えているように見えるが、その計画は非常に曖昧で、具体性に欠けていた。
「お母さんの兄弟も今はもう亡くなっているかもしれない。実家のお墓も、今は誰が管理しているかわからない」
嫁は義母の希望を聞きながら、いくつもの不確かな問題に直面していた。
そして、もう一つの大きな問題は、財産の分配に関する義母の意向だった。
**「次男に全て残す」**という考えは、口約束に過ぎず、何も正式な手続きを行っていない。
それによって、残された三人の子供たちの間でトラブルが生じる可能性が高く、嫁はそのことを深く憂慮していた。
「私はただの嫁であって、子供たちに話すべきことがあるのではないかと感じているんです」
彼女の言葉には、長男としての夫の立場を重んじつつ、自分が直接的に決定権を持つことの不安が滲んでいた。
第3章: 長男の優しさと葛藤
義母が最期を託そうとしている長男は、物静かで優しい人柄だった。
彼は普段からあまり自分の意見を強く主張することがなく、義母の要求に対しても「いいよ」としか答えなかった。
その態度が、嫁にとってはますます状況を曖昧にし、彼女の不安を増大させていた。
「夫は母の言葉を受け入れていますが、彼自身が何を本当に望んでいるのか分かりません。私たち夫婦の間でも、義母のことについての話し合いができていないんです」
嫁の言葉には、義母と夫の間のコミュニケーションの欠如が問題であることが浮かび上がっていた。
彼女自身も「母に頼られているようだけど、私が決めるべきことではない」という思いを抱えていた。
第4章: 問題の解決策の模索
樺澤は彼女の話を静かに聞きながら、いくつかの解決策を提案した。
「まずは、ご主人との話し合いが必要です。長男の嫁という立場だけでは、現状を改善するのは難しいでしょう。義母の最期のことについては、ご主人とその兄弟たちの間で話し合う場を設けることが大切です」
樺澤は、義母の希望を家族全員でしっかり共有することが必要であることを説明した。
また、義母の財産を次男に全て残すという希望についても、公正証書や遺言書といった法的な手続きを通して正式にしておくべきだと提案した。
「終活は、ただの口約束で進めると後々大きなトラブルに繋がります。公正な手続きと書類の作成を通して、今の段階から準備を進めておくことが最も重要です」
また、義母が希望している実家のお墓に関しても、兄弟間での交渉が必要となることを説明し、場合によっては別の選択肢も検討する必要があると伝えた。
第5章: 家族の再生に向けて
樺澤のアドバイスを受け、嫁は夫と話し合いの場を設ける決意をした。
義母との関係を改めて見直し、家族全員で最期のことについて話し合うことが最良の解決策であると気づいたからだ。
数週間後、嫁から電話があった。
「主人と話し合いをしました。そして、兄弟たちとも集まってお母さんの希望を確認する場を設けました。今はまだ完全に解決していないですが、一歩前に進めた気がします」
彼女の声には、以前の不安だけではなく、未来への希望が感じられた。
家族全員で話し合うことで、義母の意思が共有され、それをどう実行するかについての協力体制が少しずつ整ってきていた。
復元納棺師 樺澤より
今回の齋藤家のご相談を通じて、終活におけるコミュニケーションの重要性を改めて感じました。
家族が互いに本心を話し合うことができない状況では、終活はただの負担となり、残された家族に大きな問題を引き起こします。
「何よりも、家族が心を通わせることが大切です」
そう伝えた時、嫁が深く頷いてくれたことが印象的でした。
家族が一つの目標に向けて協力することで、終活が家族全員の未来をより良いものにする手助けになると確信しています。
エピローグ: 複雑な終活に向き合う喜怒哀楽の家族葬
『喜怒哀楽の家族葬』では、ただ葬儀を提供するだけでなく、家族の複雑な感情や背景に寄り添いながら最適な解決策を提案しています。
**「弘前市 家族葬」**として、地域の皆様に寄り添い、どのような背景を持つ家庭にも適したサポートを提供していきます。
**「まずは家族全員で話し合うことができました」**という嫁の言葉には、家族再生への第一歩が感じられました。
これからも、終活や葬儀を通じて、家族が互いに理解し合い、支え合える環境を提供していくことをお約束します。
その他の業務
事前相談
葬儀に関する事前相談を受け付け、個別に対応。家族や故人の希望を聞き取り、最適な葬儀プランを提案します。
寺院の紹介
檀家になっていない方のために、信頼できる寺院を紹介し、戒名や読経などの手配をサポート。
特殊清掃・遺品整理
特殊清掃:孤独死や事故現場での清掃を専門業者が行い、安全で清潔な状態に戻します。
遺品整理:故人の遺品を丁寧に整理し、貴重品や思い出の品を遺族に届けます。
海洋散骨・永代供養
遺骨を海に撒く「海洋散骨」や、お墓を持たない方への「永代供養」などの手配を行います。
粉骨業務
遺骨を粉にする「粉骨サービス」を提供。散骨や手元供養のために適した形で加工します。
墓じまいと檀家脱退コンサルティング
墓じまいを希望する家族のために、お墓の整理・閉鎖手続きをサポート。寺院との交渉や檀家脱退の手続きも支援します。
葬儀に一貫したサービスを執り行っています。
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