浪岡アパートの特殊清掃と葬儀の物語
この物語は、とーたる・さぽーと0528が実際に担当した葬儀を元にしたノンフィクションです。
実例のエピソードを基に、心温まる家族葬、喜怒哀楽の家族葬の一例として描いております。
【目次】
突然の依頼、新たな任務
- 弘前警察署からの一本の電話
- 次の日、浪岡のアパートへ
- 初めての依頼、直葬の葬儀
当面の葬儀から更なる要望へ
- 特殊清掃の必要性がマイナス
- 私たちの役割、新たな始まりのための特殊清掃
まとめ
突然の依頼、新たな任務
1. 弘前警察署からの一本の電話
ある夕方、弘前警察署からの電話が一本入った。
「浪岡町のアパートで男性が亡くなっているとの連絡が入りました。ご遺体の引き取りについてご相談したいのですが」
その電話は、私たちに新たな任務を告げるものだった。
警察からの報告を受けた私たちは、すぐに対応すべきかどうかを判断することになったが、その日のうちの引き取りは難しい状況だった。
「次の日以降に対応させていただきます」と伝え、翌日の早朝に向けた準備が進められた。
夜の静寂の中、その決断は心に重く響いたが、それが私たちの役割だという責任感が、静かに胸に広がっていた。
2. 次の日、浪岡のアパートへ
翌朝、私たちは浪岡のアパートへ向かった。
アパートの一室には、亡くなった男性が静かに横たわっていた。
この場所で彼が迎えた最期の瞬間、その孤独を感じずにはいられなかった。
残されたものは寂しげな部屋と、故人の持ち物だった。
アパートの中で出迎えてくれたのは、故人の母親であった。
彼女は悲しみとともに、「できるだけ簡易な葬儀で良いのです」と私たちに伝えた。
その言葉には、自分自身の悲しみを最小限に留め、最期の送る手段に対するシンプルな希望が含まれていた。
3. 初めての依頼、直葬の葬儀
最初に依頼されたのは、直葬という形での葬儀だった。
「できるだけ簡素に、負担のない形で父を送りたい」という母親の要望は、故人との思い出に向き合いながらも、現実に対応した決断だった。
私たちは藤崎町の火葬場で火葬を行い、静かな祈りの中でその役目を果たした。
その日の風景はどこか淡く、彼を見送る時間は穏やかなものだった。
参列者は少なかったが、その静寂の中には、家族が彼を大切に思っていた証が確かに感じられた。
当面の葬儀から更なる要望へ
1. 特殊清掃の必要性がマイナス
葬儀が終わり、話は次の段階へと進んでいった。
「特殊清掃もお願いできませんか?」と母親からの要望があったのは、その日の午後のことだった。
故人が亡くなった部屋は、やはりそのままでは新たな生活のための準備を進めることが難しい状態だった。
「自分たちで片付けようと思ったけれども、娘の知人が他の会社に相談したら、素人がやるべきではないと言われました」
そう語る母親の言葉には、部屋に残されたものへの戸惑いや、清掃作業に対する不安が含まれていた。
2. 私たちの役割、新たな始まりのための特殊清掃
特殊清掃とは、ただ物を片付けるだけではなく、故人が過ごした最後の場所を新たな始まりのために整える作業である。
私たちは、その部屋をきれいにし、次の住人が気持ち良く迎え入れられるように準備を整えるという重要な役割を担った。
作業に入ると、部屋には彼の生活の痕跡がそのまま残されていた。
生活に使われた家具や、小さな日用品に至るまで、全てが彼の人生の一部だった。
その痕跡を丁寧に清掃し、残された品物を整理していく中で、故人がどんな日々を過ごしていたのかが少しずつ見えてきた。
「新しい生活を迎えるために、最期の瞬間の痕跡をしっかりと受け止め、整えていくことが大切だ」
その思いを胸に、私たちは作業を進めていった。
まとめ
弘前警察署からの一本の電話から始まった、浪岡のアパートでの葬儀と特殊清掃の依頼。
直葬の葬儀を通じて故人を見送り、その後の特殊清掃を行うことで、次の生活への道を整える。
私たちはこの一連の依頼に全力を尽くした。
「誰かがその役目を果たし、誰かが新たな始まりを迎えるために準備を整える」
それが、私たち合同会社とーたる・さぽーと0528の役割であり、使命である。
一人でも多くの方が、新たな生活を気持ちよく迎えられるよう、私たちはこれからも支え続けていくことを誓います。
その他の業務
事前相談
葬儀に関する事前相談を受け付け、個別に対応。家族や故人の希望を聞き取り、最適な葬儀プランを提案します。
寺院の紹介
檀家になっていない方のために、信頼できる寺院を紹介し、戒名や読経などの手配をサポート。
特殊清掃・遺品整理
特殊清掃:孤独死や事故現場での清掃を専門業者が行い、安全で清潔な状態に戻します。
遺品整理:故人の遺品を丁寧に整理し、貴重品や思い出の品を遺族に届けます。
海洋散骨・永代供養
遺骨を海に撒く「海洋散骨」や、お墓を持たない方への「永代供養」などの手配を行います。
粉骨業務
遺骨を粉にする「粉骨サービス」を提供。散骨や手元供養のために適した形で加工します。
墓じまいと檀家脱退コンサルティング
墓じまいを希望する家族のために、お墓の整理・閉鎖手続きをサポート。寺院との交渉や檀家脱退の手続きも支援します。
葬儀に一貫したサービスを執り行っています。
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