弘前市での特殊清掃と遺品整理(工藤家)
この物語は、とーたる・さぽーと0528が実際に担当した葬儀を元にしたノンフィクションです。
実例のエピソードを基に、心温まる家族葬、喜怒哀楽の家族葬の一例として描いております。
第1章 突然の依頼
夕方、電話が鳴った。
「自宅で亡くなった方の部屋を綺麗にして欲しいんです」
電話越しの依頼者の声には、疲れと戸惑いがにじんでいた。
「綺麗にというのは、どのような意味でしょうか?」
私は静かに尋ねた。
「発見が遅れたんです。自宅で一人亡くなってしまって、部屋がかなり汚れています」
その言葉に、私は状況の深刻さを理解した。
「わかりました。まずは現場を見て見積もりをさせていただければと思います」
そう伝えると、依頼者は今日中の対応を希望された。
私は夕方、弘前市の現場に赴く約束を交わした。
第2章 現場での初対面 – 古い家に隠された物語
約束の時間に訪れたのは、広い敷地に佇む古い一軒家だった。
依頼者と共に外で打ち合わせをし、亡くなった部屋についての説明を受けた。
「印鑑や通帳、保険の証書を探して欲しいんです」
依頼者はそう告げた。故人が大切にしていた物を探し出し、形見にしたいという強い思いが伝わってきた。
準備を整え、私は故人が過ごしたという部屋に足を踏み入れた。
第3章 特殊清掃と遺品整理の始まり
玄関を開けた瞬間、空気に漂う独特の匂いが鼻をついた。
故人が亡くなった部屋は、玄関から既にその痕跡が感じられた。
部屋の出入り口で倒れていた故人。
体液が床に広がり、それが固まっている状態だった。
畳一枚の範囲に体液の痕跡が広がっていたが、幸運にもそれは畳だけで済んでいた。
部屋にはタンスや本の山、シングルベッドが置かれ、雑然としていたが、それら一つ一つが故人の生きた証だった。
第4章 遺品整理 – 家族の痕跡を辿る
続いて他の部屋と水回りを確認すると、そこには長い年月の生活の痕跡が残っていた。
家具はどれも大きく、食器棚もいくつも設置されていた。
多くの食器や鍋、窯類があり、まるでそこに住む家族全員を支え続けてきたかのように感じられた。
布団が6~8組もあり、それはかつてこの家で過ごした多くの人々の存在を物語っていた。
「これが家族の歴史なのですね」
私は一人つぶやきながら、遺品整理を進めていった。
第5章 作業開始 – 家族の思いを守るために
依頼者からの依頼を受け、私は特殊清掃の優先作業に取り掛かった。
亡くなった部屋を早めに処置し、畳を取り外し、体液の痕跡を処理した。
次に依頼された探し物を探すため、丁寧に部屋の中を整理し始めた。
印鑑や通帳、保険の証書を見つけることができた時、依頼者の思いが少しでも形となることに安堵した。
故人の部屋を整理し、ベッドやその他の家具を撤去した後、特殊清掃を完了させた。
第6章 最後の清掃と家全体の整理
次は、家の他の部屋に移り、探し物を続けながら燃えるゴミと燃えないゴミの分別を行った。
いくつかの貴重品や保険の証書が見つかり、その瞬間、依頼者の顔に浮かぶ安堵の表情が想像できた。
家全体の分別が完了すると、燃えるゴミ・燃えないゴミ・大型ゴミに分類し、一般廃棄物収集運搬を手配した。
その後、家全体の清掃と、再度除菌と消臭の特殊清掃に取り掛かった。
空気が少しずつ清らかになり、まるで家が新たな息吹を取り戻しているかのようだった。
第7章 祈りと終わり – 家族への想い
作業を進める中で、私は心の中で故人の冥福を祈った。
その家には、まだたくさんの思い出が詰まっており、それを感じ取ることができたからだ。
全ての作業が完了に近づいた時、依頼者に電話をかけて家の確認をお願いした。
「2時間後に伺います」との返答を受け、私は再び故人とこの家に静かな別れを告げた。
依頼者が到着し、家全体を確認してもらうと、涙ながらに「本当にありがとうございました」と言ってくれた。
その言葉には、故人への感謝と、家族の新たな一歩を踏み出す決意が込められていた。
まとめ 家族の思いと新たな一歩
今回の特殊清掃と遺品整理を通して、私たち合同会社とーたる・さぽーと0528は、依頼者が大切な人との別れを受け入れ、そして新たな生活に向けて歩き出す手助けをすることができた。
**「喜怒哀楽の家族葬」**の精神で、私たちは故人と残された家族の感情に寄り添い、最後の瞬間まで支えることを使命としています。
特殊清掃や遺品整理など、辛く困難な時にも、私たちはあなたのそばにいます。
弘前市での家族葬や特殊清掃について、どのようなことでもご相談ください。
私たちは、あなたの心に寄り添い、最善の支援を提供します。
その他の業務
事前相談
葬儀に関する事前相談を受け付け、個別に対応。家族や故人の希望を聞き取り、最適な葬儀プランを提案します。
寺院の紹介
檀家になっていない方のために、信頼できる寺院を紹介し、戒名や読経などの手配をサポート。
特殊清掃・遺品整理
特殊清掃:孤独死や事故現場での清掃を専門業者が行い、安全で清潔な状態に戻します。
遺品整理:故人の遺品を丁寧に整理し、貴重品や思い出の品を遺族に届けます。
海洋散骨・永代供養
遺骨を海に撒く「海洋散骨」や、お墓を持たない方への「永代供養」などの手配を行います。
粉骨業務
遺骨を粉にする「粉骨サービス」を提供。散骨や手元供養のために適した形で加工します。
墓じまいと檀家脱退コンサルティング
墓じまいを希望する家族のために、お墓の整理・閉鎖手続きをサポート。寺院との交渉や檀家脱退の手続きも支援します。
葬儀に一貫したサービスを執り行っています。
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