第11章 これからの供養と、心の居場所について


これからの供養と、心の居場所について

どう送りたいか から どう生きたいか へ

葬儀のあとに残るもの

葬儀が終わると、家族の生活がまた動き出す
けれど、その人がいないという事実は、すぐには埋まらない

日常のすき間にふと訪れる寂しさ
思い出が静かに胸を打つ瞬間

そんなとき、人はあらためて自分の心と向き合う
言えなかったこと
伝えきれなかった思い
そして、これからをどう生きていくのか

葬儀は 心の居場所をつくる時間

葬儀とは
亡くなった人のためだけではない

遺された人が
自分の感情に気づき
言葉にできなかった思いに触れ
心の居場所を取り戻す時間なのだと思う

泣いて
笑って
怒って
語り合って
黙っていてもいい

その全部を許されたとき
人の心は 少しずつ整っていく

送り方ではなく 生き方のきっかけに

感情に正直になれる葬儀は
いずれ 自分のこれからの生き方にまで問いを投げかけてくる

父にありがとうを言えた人が
自分の子どもとの関係を見直し始める

母を見送った人が
誰かをもっと大切にしようとする

あの時間が
その人の人生の節目になることがある

喜怒哀楽の家族葬は 生きる力と向き合う葬送

この葬儀が届けたいのは
かたちではなく 心の経験

どんな感情でも 出していい
どんな想いでも 残していい

形式を整えるより
感情を整えること

それが
これからの葬送の本質だと思っている

人は 悲しみを超えて深くなる

誰かを送るということは
人生の中で 最もやさしくなれる時間かもしれない

そして
人として 一歩深くなれる瞬間でもある

悲しみは消えない
けれど その悲しみの中で
人は変わる
人は強くなる
人は ほんとうの意味で やさしくなる

だから私は
この葬儀を届け続けたい

次章へ(終章)

最後は 私がこの仕事を通じて見てきた
人の美しさについて書きます

▶ 終章 人は 最後の時間に 美しさを取り戻す

 

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筆者について

樺澤忠志(とーたる・さぽーと0528代表/納棺師)
弘前市出身。父の死をきっかけに葬祭の道へ。今、感情を封じない「喜怒哀楽の家族葬®」を弘前で提供しています。

最期に「ありがとう」が届く時間を。
それが、私の仕事のすべてです。

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